”夢”を叶えるお仕事
ARC西宮を利用されているK氏の娘さまから、
「息子の結婚式に父を参加させたい」というご相談がありました。
94歳のK氏は穏やかに過ごされている一方、複数の疾病があり、
移動や声かけには専門的なサポートが欠かせません。当初ご家族は、
祖父が参加するとゲスト対応が難しくなるのではと不安を抱え、
参加を諦めかけていました。
しかし、息子さまは幼い頃に遊んでくれた祖父との写真を見返し、
「一緒に退場シーンを歩きたい」という強い願いを抱きます。
その想いに応えるため、私たちは1ヵ月半前から準備を開始。
理学療法士・介護福祉士・ご家族が連携し、K氏の体調に合わせた
歩行練習や当日の動線確認を重ねました。安全を守りながら、
ご家族の“夢”をどう実現するか——
その過程は、私たちにとっても大切な時間でした。
迎えた結婚式当日。
K氏は控室で待機する予定でしたが、体調も安定し、
最初から最後まで家族と同じテーブルで過ごすことができました。
そして最大の見せ場である退場シーン。K氏はお孫さまと杖を使いながら、
しっかりと歩みを進めました。
さらに介護福祉士の提案で、K氏が書いた直筆メッセージを
お孫さまへ渡すサプライズも大成功。会場は温かな涙に包まれました。
披露宴後、K氏はプレゼントの小箱を握りしめたまま車椅子で眠っていたそうです。
その姿を見た介護福祉士は涙が止まらず、
「この仕事をしていて本当によかった」と心から感じました。
ご家族の願いも、K氏の「孫のために」という想いも、確かに叶った瞬間でした。
介護の仕事は、ただ支えるだけではありません。
“誰かの大切な願いを叶える力”を持った、誇れる仕事です。